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映画「リトルプリンス 星の王子さまと私」

CGアニメーションには珍しい詩的な物語の映画。

 

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名門学校に入学するため、引っ越してきたガリ勉の女の子が、隣に住む変わった老人との交流の中で、今まで考えたこともなかった新しい世界・価値観に気づいていく物語。老人は元パイロット。若い頃、砂漠で出会った「星の王子さま」の物語を書いていて(あの有名な絵本だ)、引っ越してきた女の子に最初の読者になってもらう。女の子は教育ママからの束縛に疑問を抱いていて、次第に老人と打ち解けていく、、物語。
 
老人は今はもう壊れた飛行機を飛ばそうとしたり壊れた車を運転したりと、奇人のようだが、死期が近いのをわかっていてどこかで現実的な感じがする。
対象的に少女は母親に支配されていて、現実的なようで現実が見えていない。
 
この二人の不思議なやり取りを軸に映画は描かれる。
 
この作品では現実の描写と老人の語るお話の部分で2つの違う表現を使い分けている。
現実の描写は今風の普通のCGアニメの表現だ。CGアニメはカチッとした工業製品のような印象がある。それはきっちり3Dモデルを作って、計算して動かさなければいけないので、手描きで表現されるようなアドリブを効かせるのが難しいからだ。もちろん、最先端のCGアニメの世界ではどんどん表現が進歩していて、自然な表現になっているとは思うけど、、。この作品では褪せた色や、マテリアルを組み合わせて現実世界を描き、つまならい現実を表現していた。
対照的に老人の語る物語のシーンは、今までに見たことがない、もみ紙のようなクシャクシャのテクスチャを使った表現だ。立体なんだけど、紙っぽく少し平べったいので不思議な効果を出している。まるでレリーフのような雰囲気。絵本から飛び出てきたような感じが出ている。
 
この映画で面白かったのは、詩的でふわふわとした話をきっちり描いていた点だ。
少女は最後に壊れていたはずの飛行機で不思議な星に行き、老人のお話の中に出てくる星の王子さまと遂に出会う。今まで、2つの違う表現で描かれていた世界の境界が
取り払われ、ひとつになる。何がどうして2つの世界が繋がったのかはわからないけれど、面白い。観客に不思議に思わせない筋の運び方、描写が見事だ。
老人と少女が最後どうなったのか、明確には描かれないがラストには幸せな雰囲気が漂う。
その曖昧な感じがこの映画の魅力だったともう。